「英文はゆっくりなら聞き取れるのに、TOEFLの速さになるとついていけない」「メモを取ろうとすると話が耳に入ってこない」。TOEFLのリスニングは、日本人がとくに苦戦しやすいセクションです。ネイティブスピードの長い講義や会話を聞き、内容を正確に理解して設問に答える必要があるからです。
ただ、リスニングは正しいトレーニングを続ければ、もっとも伸びを実感しやすい分野でもあります。耳は鍛えるほど慣れやすくなります(慣れるスピードには個人差があります)。この記事では、TOEFLリスニングの形式の基本から、聞き取る耳の作り方、メモの取り方、設問の解き方まで、対策の全体像を順を追って解説します。

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TOEFLリスニングの形式を知ろう
TOEFL iBTはリニューアルによって試験時間が短くなり、リスニングも見直されました。出題されるのは、大学の授業を想定した講義(レクチャー)と、学生同士や教員との会話(カンバセーション)です。講義では専門的なテーマがネイティブスピードで語られ、会話ではキャンパスでのやり取りが扱われます。
現在の形式では、前半の正答率に応じて後半の難易度が変わるアダプティブ方式が取り入れられています。また、スコアに反映されないダミー問題が整理され、試験時間も短縮されました。短い時間で集中力を保つことが、これまで以上に重要になっています。
- 講義と会話、それぞれの聞き方に慣れておく
- 音声は一度しか流れないため、聞き逃さない集中力が必要
- メモを取りながら要点を把握するスキルが問われる
試験の形式・時間・問題数は変更されることがあります。受験前には必ずTOEFLテスト日本事務局(ETS Japan)の公式サイトで最新情報を確認しておきましょう。
リスニングが聞き取れない3つの原因
1. 音と文字が結びついていない
単語を「読めば分かる」のに「聞くと分からない」のは、正しい音を知らないからです。英語には音のつながり(リンキング)や脱落があり、自分が思っている発音と実際の音がずれていると聞き取れません。
2. 処理スピードが追いついていない
聞こえた英語を頭の中で日本語に訳していると、次の文に追いつけなくなります。英語を英語のまま理解するスピードが足りていないのです。
3. 集中力が続かない
長い講義を聞き続けるには集中力が必要です。途中で意識が飛ぶと、その後の設問がまるごと落ちることもあります。長文リスニングに耐えられる集中力も、トレーニングで鍛えられます。

聞き取れる耳を作る具体的なトレーニング
ステップ1:ディクテーションで弱点を洗い出す
聞こえた英語を一字一句書き取る「ディクテーション」は、自分がどこを聞き取れていないかを可視化するのにとても有効な方法です。書き取れなかった箇所こそ、あなたの弱点。スクリプトと照らし合わせて、聞き逃した理由を確認しましょう。
ステップ2:シャドーイングで音とスピードに慣れる
音声を聞きながら、少し遅れて同じように発音する「シャドーイング」は、リスニング対策の定番です。英語の音のつながりやリズムが体に染み込み、聞き取れる音が少しずつ増えていきます。最初はスクリプトを見ながらでも構いません。
- まず音声を聞いて内容を把握する
- スクリプトを見ながら発音を確認する
- スクリプトを見ながらシャドーイング
- 最後にスクリプトを見ずにシャドーイング
ステップ3:精聴と多聴を使い分ける
1つの音源を細部まで聞き込む「精聴」と、たくさんの英語をシャワーのように浴びる「多聴」。この2つを組み合わせると効果的です。精聴で聞き取りの精度を上げ、多聴で英語への耐性を高めていきます。
本番で差がつくメモ(ノートテイキング)のコツ
TOEFLリスニングでは、メモを取りながら聞くことが認められています。ただし、書くことに集中しすぎて音を聞き逃すのは本末転倒です。メモはあくまで記憶の補助と割り切りましょう。
全部を書き取ろうとするとかえって混乱します。キーワード・数字・話の流れ(原因と結果、対比など)に絞ってメモするのがコツです。矢印や記号を使って素早く書く自分なりのルールを決めておきましょう。

教材の選び方と進め方
リスニング対策には、次のような教材が役立ちます。
- 公式問題集・公式サンプル:本番と同じ音声レベルに慣れる
- スクリプト付きの教材:ディクテーションやシャドーイングに使う
- 英語の講義・ニュースなどの音声:多聴でアカデミックな英語に慣れる
教材はスクリプトが付いているものを選ぶのが必須条件です。スクリプトがないと、聞き取れなかった箇所の答え合わせができません。まずは1つの音源を、聞き取れるようになるまでとことん使い込むのがおすすめです。学習リソースの最新情報はETS公式サイトでも確認できます。
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1日の学習にリスニングを組み込むコツ
リスニングは、まとまった時間よりも毎日の積み重ねが結果を左右します。1日にできることを決めて、生活の中に自然に組み込むのがおすすめです。
- 朝の準備中:前日にやった音源を聞き流して復習
- 通勤・通学中:シャドーイングやディクテーションの音源を集中して聞く
- 夜の学習時間:新しい音源で精聴+スクリプトチェック
ポイントは、同じ音源を何度も繰り返すことです。新しい音源ばかり追いかけるより、一度使った音源を聞き込むほうが、聞き取れる音は増えていきやすくなります。1つの講義音源を、内容をほぼ暗記するくらいまで使い倒すのが理想です。
発音練習との相乗効果を意識する
リスニングとスピーキングの発音練習は、実はセットで伸ばすと効率的です。自分で正しく発音できる音は聞き取りやすくなるため、シャドーイングのときは音のつながりや強弱まで真似ることを意識しましょう。ただ聞き流すのではなく、口を動かして音を再現することで、耳の反応スピードも上がっていきます。

よくある質問(Q&A)
Q. リスニングはどのくらいで伸びますか?
A. 個人差はありますが、ディクテーションやシャドーイングを毎日続けると、数週間から数ヶ月で聞き取れる音が増えてくる人が多いです。まずは継続を優先しましょう。
Q. 音声のスピードが速すぎてついていけません。
A. 最初は再生速度を少し落として練習し、慣れてきたら通常速度に戻すのが有効です。ただし、本番は通常速度なので、最終的には等速で聞き取れる状態を目指します。
Q. メモは英語と日本語、どちらで取るべきですか?
A. どちらでも構いませんが、書く速さを優先して自分が素早く書けるほうを選びましょう。記号や矢印を活用すると、言語にこだわらず素早くメモできます。
Q. 聞きながら意味が取れず、設問になると内容を忘れてしまいます。
A. 英語を英語のまま理解する処理速度が追いついていない可能性があります。シャドーイングと精聴を続けて、聞きながら理解できる範囲を少しずつ広げていきましょう。
Q. 発音練習はリスニングに関係ありますか?
A. 大いに関係があります。自分が正しく発音できる音は聞き取りやすくなります。シャドーイングで発音を意識することが、そのままリスニング力の向上につながります。
Q. 字幕付きの動画で勉強してもいいですか?
A. 有効です。ただし、最初から字幕に頼りきると耳が育ちにくいので、まず字幕なしで聞き、聞き取れなかった部分を字幕で確認する流れがおすすめです。同じ動画を字幕あり・なしで繰り返すと効果的です。
Q. 講義と会話、どちらの対策を優先すべきですか?
A. どちらも出題されるため、両方に慣れておく必要があります。専門的な内容の講義に苦手意識がある人は、まずアカデミックな音源を多めに聞き込んでおくとよいでしょう。
本番当日に力を出し切るために
リスニングは集中力が途切れると一気に失点します。本番当日は、最後まで集中を保つ体力も問われます。普段から通しで長い音源を聞く練習を重ね、長時間の集中に慣れておきましょう。
1問聞き逃しても、引きずらないことが大切です。1問にとらわれて次の問題まで落とすのが最悪のパターン。分からなかった問題はいったん切り替えて、次の音声に全力で集中しましょう。
また、試験会場では周囲の音が気になることもあります。ヘッドセットの装着感やボリュームは、開始前にしっかり調整しておきましょう。普段から多少雑音のある環境でも聞き取れるよう練習しておくと、本番の環境にも動じにくくなります。
まとめ
TOEFLリスニングは、ディクテーションとシャドーイングを軸に耳を鍛えることで着実に伸ばせるセクションです。聞き取れない原因を洗い出し、音とスピードに慣れ、メモの取り方を身につける。この流れを毎日少しずつ続けることが、聞き取れる耳への一番の近道になります。
リスニングは努力が裏切りにくい分野です。まずはスクリプト付きの音源を1つ用意し、今日からディクテーションを始めてみてください。最初は聞き取れなくても、続けるうちに耳は慣れていきやすくなります(慣れるスピードには個人差があります)。毎日の小さな積み重ねが、数ヶ月後には大きな差になって現れます。試験形式は見直されることがあるため、最新情報は公式サイトで確認しておきましょう。
※本記事の情報は執筆時点のものです。試験形式・試験時間・問題数は変更される場合があります。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
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