TOEIC対策で「公式問題集は必須」と言われるけれど、1回解いて答え合わせして終わり……になっていないだろうか。公式問題集は使い方次第で学習効果が何倍にも変わる教材であり、正しい復習法を知っているかどうかがスコアに直結する。
この記事では、公式問題集の効果を最大化する使い方と、2周目以降の取り組み方を詳しく解説する。「もう答えを覚えてしまったから意味がない」と思っている人こそ読んでほしい内容だ。

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なぜ公式問題集がTOEIC対策に欠かせないのか
TOEIC公式問題集はテストの開発元であるETSが作成した教材。つまり本番と同じ音声ナレーターが使われ、問題の形式・難易度・出題傾向もテスト本番に最も近いという唯一無二の存在だ。市販の模試教材がどんなに優れていても、本番の雰囲気を完全に再現できるのは公式問題集だけ。
市販の模試教材も優れたものが多いが、公式問題集には以下の特徴がある。
- 本番と同じナレーターの音声で練習できる(アメリカ・イギリス・オーストラリア・カナダの4カ国のナレーター)
- 問題の難易度が実際のテストとほぼ同じ
- スコア換算表で現在のレベルを把握できる
- 解説が丁寧で、正解の根拠が明確に示されている
- 出題されるトピック(ビジネスメール、広告、ニュース記事など)の傾向も本番に近い
公式問題集は複数冊発行されており、番号が大きいものほど新しい。購入するなら最新のものから手に取るのがおすすめで、最新版ほど現行テストの出題傾向を反映している。価格は1冊あたり3,300円程度で、1冊につき2回分の模試が収録されている。
公式問題集は1冊あたり2回分の模試(リスニング100問+リーディング100問×2セット)が収録されている。1冊で計400問の演習ができ、コストパフォーマンスは非常に高い。
1周目の使い方|本番を想定して解く
時間を計って本番と同じ条件で解く
1周目は必ず本番と同じ時間制限(リスニング約45分+リーディング75分=計約120分)を設けて解く。時間を計らずに解いてしまうと、自分の「時間配分の課題」が見えてこない。TOEICのリーディングセクションは時間との戦いであり、多くの受験者が最後まで解き終わらない。本番のペース配分を体得するためにも、1周目は時間を厳守して解くことが大切。
静かな環境を用意し、スマートフォンの通知もオフにして、できるだけ本番に近い状態で臨もう。リスニングは音声に合わせて進むため、途中で止めずに一気に解き切ること。
答え合わせと弱点分析
解き終わったら採点し、スコア換算表で現在のレベルを確認する。ここで重要なのは「間違えた問題」だけでなく「まぐれで正解した問題」にもチェックをつけること。確信を持って選べなかった問題は「理解できていない問題」と同じ扱いにする。この「まぐれ正解」を見逃さないことが、次のスコアアップにつながる。
さらに、パートごとの正答率を算出して弱点を把握しよう。たとえば「Part5は正答率90%だけどPart3は60%」といったデータが見えると、重点的に対策すべきパートが明確になる。

復習法|ここが公式問題集の真価を発揮する場面
リスニングの復習法
Step1:スクリプトを見ながら音声を聞く
間違えた問題のスクリプトを確認し、聞き取れなかった箇所を特定する。「知らない単語があった」「単語は知っていたが音として認識できなかった」「速すぎてついていけなかった」など、聞き取れない原因を明確にすることが大切。原因がわかれば対策が立てられる。
Step2:オーバーラッピング
スクリプトを見ながら音声に合わせて声に出す練習をする。音声のスピードについていけるようになるまで繰り返すことで、本番のリスニング速度に耳が慣れる。1つの音声につき5~10回繰り返すのが目安。最初は追いつかなくても、繰り返すうちに自然とスピードに慣れてくる。
Step3:シャドーイング
スクリプトを見ずに音声の少し後ろを追いかけるように発話する。難易度は高いが、リスニング力を飛躍的に向上させる練習法。最初はPart1やPart2の短い音声から始め、慣れてきたらPart3・Part4の長い音声にチャレンジしよう。
リーディングの復習法
Step1:解説を読み込む
なぜその選択肢が正解なのか、不正解の選択肢はなぜダメなのかを解説で確認する。特にPart5の文法問題は「なんとなく正解」ではなく「根拠を持って正解」できる状態を目指す。
Step2:知らない単語を書き出す
問題文や選択肢に含まれる知らない単語をすべてノートに書き出し、意味を調べる。TOEICの公式問題集に出てくる単語は本番でも出題される可能性が高い。書き出した単語リストは「自分だけのTOEIC単語帳」として通勤中などに復習しよう。
Step3:時間を計って再読する
Part7の長文問題は、復習時に「意味を理解しながら速く読む」トレーニングとして活用できる。目標は150WPM(1分間に150語)以上のスピードで読めること。公式によると、リスニングセクションの音声に合わせ英文を声に出して読むと150WPM以上のスピードが体感できるとのこと。
復習にかける時間は、問題を解く時間の2~3倍が目安。「解くのに2時間、復習に6時間」というバランスで取り組むと、1冊から得られる学習効果が格段に高まる。復習を省略して次の模試に進むのは、最も効率の悪い学習法。
2周目以降の取り組み方
2周目:弱点パートに絞って解く
2周目は全問を通しで解く必要はない。1周目で間違えた問題や苦手パートに絞って取り組もう。答えを覚えてしまっている問題でも、「なぜその答えになるのか」を言語化できるかどうかが重要。「正解はBだ」と覚えているだけでは意味がなく、「Bが正解である根拠」を説明できる状態を目指す。
3周目以降:音声素材・読解素材として活用する
3周目以降は問題を解くというより、リスニング音声をシャドーイング教材として、リーディングの英文を速読教材として活用する。公式問題集の英文はビジネスシーンを題材にしたものが多く、TOEICに頻出する語彙や表現を自然に吸収できる。この使い方をすることで、答えを覚えてしまった後でも公式問題集から学べることは多い。
別のテストセットに取り組む
1冊の公式問題集には2回分の模試が収録されている。1つ目のテストを3周やり込んだら、2つ目のテストに進もう。同じ要領で本番形式→復習→2周目以降の活用を繰り返す。

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公式問題集は何冊必要?
結論からいうと、まずは1冊を徹底的にやり込むことが大切。1冊を3周以上繰り返して完全に消化してから次の1冊に進むのが理想的。「たくさんの問題集を1周ずつ解く」よりも「1冊を何度もやり込む」ほうがTOEICのスコアアップには効果的。
スコア帯別の目安としては以下のとおり。
- 600点未満を目指す人:最新版1冊で十分(まずは1冊をしっかりやり込む)
- 600~800点を目指す人:2~3冊あると安心(演習量を増やして実践力を強化)
- 800点以上を目指す人:3冊以上をやり込む(ミスのパターンを徹底的に潰す)
公式問題集を使った学習スケジュール例
1冊(2回分の模試)を6週間で仕上げるスケジュール例を紹介する。
第1週:テスト1を時間を計って解く。採点+弱点分析。
第2~3週:テスト1の復習(リスニングのシャドーイング+リーディングの精読+単語書き出し)。
第4週:テスト2を時間を計って解く。採点+弱点分析。
第5~6週:テスト2の復習+テスト1の2周目(弱点パートのみ)。

よくある質問(Q&A)
Q. どの公式問題集から始めればいい?
基本的には最新刊から始めるのがおすすめ。最新版のほうが現行テストの傾向に近いため、本番の予行演習としてもっとも価値が高い。古い巻でもTOEICの基本形式は変わっていないため、演習量を増やす目的で使う分には問題ない。
Q. 公式問題集だけでスコアは上がる?
公式問題集は「実力を測る」「実践力をつける」ための教材であり、文法や語彙の基礎が足りない場合は別途対策が必要。単語帳(金のフレーズなど)や文法書(でる1000問など)と組み合わせて使うのが理想的。
Q. 解説を読んでもわからない問題はどうすればいい?
Part5の文法問題であれば文法書で該当箇所を復習する。リスニングで聞き取れない問題はスクリプトと照合して「聞こえなかった原因」を特定する。それでもわからなければ、TOEICの解説動画やオンライン講座を活用するのも一つの手。わからない問題を放置せず、必ず原因を突き止めることが成長につながる。
Q. 本番前の最終確認として使うべき?
はい。本番の1~2週間前に公式問題集を1回分解くことで、本番のペース配分を再確認できる。直前に新しい問題集に手を出すよりも、すでにやり込んだ公式問題集を見直すほうが精神的にも安定する。
まとめ
TOEIC公式問題集は正しい使い方で取り組めば、スコアアップに直結する最適な教材。ポイントを振り返ると以下のとおり。
- 1周目は本番と同じ条件で時間を計って解く
- 復習は解く時間の2~3倍をかけて丁寧に行う
- リスニングはオーバーラッピング・シャドーイングで復習
- リーディングは知らない単語の書き出し+速読トレーニング
- 2周目以降は弱点パートに集中し、3周目は音声・読解素材として活用
- まずは1冊を徹底的にやり込んでから次の1冊に進む
「解いて終わり」から「解いてからが本番」に意識を変えるだけで、公式問題集の価値は何倍にも高まる。
参考:TOEIC公式|公式教材の効果的な使い方 STUDYing|TOEIC公式問題集の使い方5ステップ English Compass|TOEIC公式問題集の使い方と勉強法
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